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2020年7月20日

RAIDレベルの種類と特徴

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RAIDには仕組みの違いによりRAID0からRAID6までのレベルが定義されています。
実際に使用されているのは、主に「RAID0(ストライピング)」、「RAID1(ミラーリング)」、「RAID5」、「RAID6」の4種類となります。
ここでは、その種類と特徴について紹介していきます。

RAID0(ストライピング)

必要HDD数:2台~
特徴:耐障害性は全く無いが、読み書き速度が上がる。

RAID0(ストライピング)のイメージ
RAID0は複数台のハードディスクにデータを分散して読み書きし高速化したものです。これをストライピングと呼びます。
冗長性がなく耐障害性もないため、RAIDには含まれないとされていますが、RAIDにおける高速化技術の基本となっており、多くのRAID製品でサポートされています。
1台のドライブが故障しただけでアレイ内の全データが失われてしまうため、故障率は単体ドライブに比べ高くなります。 そのため、RAID1やRAID5などを速度の向上を図る目的でストライピング化した形で用いられることが多いと言えます。

RAID1(ミラーリング)

必要HDD数:2台~
特徴:耐障害性に優れているが、ディスク容量が50%以下になる。

RAID1(ミラーリング)のイメージ
RAID1は複数台のハードディスクに、同時に同じ内容を書き込みます。これをミラーリングと呼びます。
RAID1は最もシンプルなRAIDであり、耐障害性の高いRAIDです。
1台が故障した際に、もう一方も同時に故障する可能性は低く、システムは稼動し続けることが出来ます。
ただし、複数台に同じデータを持っているので、扱えるデータ容量としてはアレイを構成するハードディスク容量の半分以下となってしまいます。

RAID10(1+0)・RAID01(0+1)

必要HDD数:4台~
特徴:高速化・大容量化のRAID0と信頼性のRAID1の組み合わせ。

RAID10(1+0)・RAID01(0+1)のイメージ
RAID0とRAID1を組み合わせた構成を特別にRAID0+1(RAID01)およびRAID1+0(RAID10)と呼びます。
高速化、大容量化を目指したRAID0と高信頼性を求めたRAID1を組み合わせることにより、速度、容量、耐障害性の向上を図ることができます。
RAID0とRAID1は相性がよく、RAID1の特性によりRAID0の弱点であったランダムアクセスも高速化が可能です。
RAID1を使用しているためコントローラの2重化にも対応できるので、容量が必要でなおかつ強力な耐障害性も同時に得ることができます。
一見すると同じですが、RAID10は「ミラーセットをストライプ」、RAID01は「ストライプされた領域をミラーリング」という違いがあり、 基本的にドライブ故障への耐性はRAID10のほうが優れています。
ミラーリング構成のため使用可能HDDの2倍のHDDが必要となりますので、容量効率を考慮するとRAID5を選択した方がよいと言えます。

RAID2

必要HDD数:5台~
特徴:全RAIDレベルの中で最高の耐障害性だが、読み書き効率が悪い。

データ本体とエラー修正用の冗長コードを、それぞれ複数の専用ドライブに分割して記録する方式。
データはブロックでなく「bit」「byte」といった容量単位で分割されます。
冗長コードには、メインメモリなどで使用されるハミングコードという仕組みが採用されている点が特徴ですが、 ハミングコードによるデータ修復が常に必要なほどHDDの信頼性は低くないため、実用的ではありません。
また、データと冗長コードはそれぞれ複数の専用ドライブが必要であり、最小構成の場合でもデータ用2台・修正コード用3台の計5台のHDDが必要となります。

RAID3

必要HDD数:3台~
特徴:パリティを利用することでRAID2の様な速度面での性能低下がない。

RAID3のイメージ
RAID3はRAID2のエラー修正符号を「パリティ」という冗長コードにすることにより演算コストを低減させ、専用のドライブに記録する方式です。
冗長コードにはRAID5などと同様にパリティを使用しますが、データの分割はRAID2と同様に容量単位で行われるため、読み書き効率がRAID5に比べて低くなります。
また、パリティドライブが1台なのでアクセスが集中し、書き込み処理でボトルネックが生じます。
パソコンやサーバでRAID3を用いるメリットはなく、あまり採用されないRAIDレベルです。

RAID4

必要HDD数:3台~
特徴:RAID3のデータ分割をブロック単位で行うことにより高速化。

RAID4のイメージ
基本的にはRAID3と同様、データを複数ドライブに分割して記録し、更にエラー修正用のパリティコードを専用のドライブに記録する方式です。
RAID3との違いは、データの分割がbitやbyteといった容量単位ではなく、ブロック単位で行われる点です。 しかし、パリティドライブが1台なのでアクセスが集中し書き込み処理でのボトルネックが生じます。

RAID5

必要HDD数:3台~
特徴:耐障害性の向上と高速化、大容量化の全てを実現できるRAIDレベル。

RAID5のイメージ
ストライピングと同じ原理で複数のディスクにデータを分散して書き込むと同時に、パリティも計算・生成してディスクに書き込みます。
RAID4と違い、パリティ用ディスクは特に決まっておらず、全ディスクに分散して書き込まれることにより性能が低下することを防いでいます。
また、どれか1台のディスクが故障しても、それ以外のディスクのデータとパリティ情報から元の完全なデータを生成して回復できるというメリットがあります。
ただし、同時に2台以上が壊れると回復は不可能にとなってしまいます。
パリティの保存に必要なのは全ディスク台数に関係なくディスク1台分の容量なので、ディスク台数が多いほど容量の利用効率も向上します。

RAID50(5+0)・その他のRAID5との組み合わせ

必要HDD数:6台~
特徴:RAID10のRAID1構成部分をRAID5に置き換えたシステム。

RAID5の速度を向上させたい場合、使っている台数と同数のハードディスクを追加してRAID0と組み合わせます。
ストライピングされる各HDDがそれぞれRAID5アレイとなっている状態と言えるので、 同一のセットで2台以上の故障が発生しない限りは稼働し続ける事が可能となります。
ストライピングによりRAID5よりも転送速度に期待できます。
なお、耐障害性が要求される場合は、RAID5+1という組み合わせとなり、3ドライブまでの同時故障に耐えられます。 この場合も最低6ドライブが必要となります。

RAID6・RAID6との組み合わせ

必要HDD数:4台~
特徴:RAID5よりも耐障害性に優れたシステム。

RAID6・RAID6との組み合わせのイメージ
RAID5を拡張し、2台のハードディスクが同時に故障してもデータ復旧が可能なのがRAID6です。
RAID6ではパリティ格納用に消費される容量がハードディスク2台分となり、 2つのハードディスクに障害が発生してもデータ復旧ができるので、信頼性が大幅に向上します。
RAID6を用いた多重RAIDを構成する場合、使用HDD本数は増えるもののさらなる高速化、信頼性の向上が見込めます。
例えば、高速化を図るならRAID6+0(必要HDD8台~)となり、RAID6の耐障害性を維持しながら高速化ができますし、 耐障害性を高めるならRAID6+1(必要HDD8台~)となり、この場合5つのハードディスクの故障にも耐えられます。

JBOD(スパニング)

必要HDD数:2台~
特徴:大容量化のみを目的としたディスクアレイ形態。RAIDではない。

JBOD(スパニング)のイメージ
スパニングとも呼ばれ、複数の物理ドライブを集めて1つの論理ドライブにするというJBODの方法論はRAIDと共通していますが、RAIDは容量を多少犠牲にしてでも信頼性を確保したい(RAID0を除く)という意識で用いられるのに対し、 JBODは信頼性を多少犠牲にしてでも大容量を確保したいときに用いられます。
なお、JBOD (ジェイボド)は「Just a Bunch Of Disks」の略です。

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